アムステルダムのアパート賃貸価格が、2024年度にヨーロッパの中で最も高額であることが、HousingAnywhereの最新の分析によって明らかになった。首都アムステルダムの価格は2023年と比較して年末にはわずかに下落したが、ロッテルダムとデン・ハーグの価格が急上昇し、新規入居者にとってヨーロッパの最も高額な都市の一つとなった。
HousingAnywhereは、ヨーロッパ24都市以上における数万件のアパート物件リスティングを基に結論を出した。その多くは家具付きの物件で、単身向けの部屋から3LDKの住宅まで幅広い種類がある。
アムステルダムのアパートの平均賃貸価格は月額約2,100ユーロで、同プラットフォームが分析した28都市の中で最も高額。ただし、前年と比較して平均賃料は1.6%減少。また、アムステルダムの単身向け部屋も月額約1,000ユーロで賃貸されており、ヨーロッパのランキングでトップに立っている。
2024年末時点ののヨーロッパの賃貸価格の高額ランキング
- アムステルダム(オランダ)
平均月額賃料:約2,100ユーロ(前年より1.6%減少) - ローマ(イタリア)
平均月額賃料:2,000ユーロ(安定) - デン・ハーグ(オランダ)
平均月額賃料:1,973ユーロ(13%増加) - ロッテルダム(オランダ)
平均月額賃料:1,950ユーロ(22%増加) - シュトゥットガルト(ドイツ)
平均月額賃料:1,890ユーロ(26%増加) - パリ(フランス)
平均月額賃料:1,850ユーロ - ミラノ(イタリア)
平均月額賃料:1,800ユーロ - ユトレヒト(オランダ)
平均月額賃料:1,793ユーロ(3%増加)
一方で、最も安価な都市は以下が挙げられる
- ブダペスト(ハンガリー):月額350ユーロ(単身向け学生部屋)
- アテネ(ギリシャ):月額400ユーロ
ヨーロッパ全体の賃貸市場動向
調査対象のヨーロッパ都市全体では、アパート価格が年間で約3.1%上昇。ローマの月額賃料は比較的安定しており2,000ユーロだが、イタリアの首都はヨーロッパで2番目に高額な都市となっている。
それに続くのがデン・ハーグで、賃貸価格が13%急上昇し、同市の賃貸価格は1,973ユーロに達した。同プラットフォームの報告によると、ロッテルダムの賃貸価格も22%急騰し、月額1,950ユーロとなり、ヨーロッパで4番目に高額な都市にランクイン。
オランダがランキングで目立つ存在に
HousingAnywhereのランキングでは、オランダの都市が過剰に押し上げられている印象がある。一方、ヘルシンキは分析対象の唯一の北欧都市であり、スイスや東欧の都市は28都市に含まれていない。
最も驚くべき年間増加率はドイツのシュトゥットガルトで、賃貸価格が26%上昇。同市の平均賃料は1,890ユーロで、ランキングでは5位となり、パリ(1,850ユーロ)やミラノ(1,800ユーロ)を上回った。これら2都市はそれぞれ6位と7位にランクインしている。
ユトレヒトは月額1,793ユーロで8位に入り、年間増加率は比較的平均的な3%だった。
オランダの住宅市場の課題と賃貸価格高騰の影響
オランダでは2024年末には賃料の上昇率は鈍化したものの、特にアムステルダムでは住宅市場が直面している課題は大きい。賃料の高騰は、若者や新規居住者にとって大きな障壁となっており、手頃な価格と限られた住宅供給は、家族や学生、若手専門家の成長を妨げる問題として残っている。政府が最近発表した年間10万戸の住宅建設計画の結果にも注目が集まっている。