2025年4月から施行されるEU市民に対するイギリスへの電子ビザ(ETA)義務化について。日本や米国を含む40以上の国・地域からの訪問者に対しても、2025年1月8日以降、ETAの取得を義務づける。

2025年4月より、英国はEU、EEA(欧州経済領域)、およびスイスからの渡航者に対して、新たに電子ビザ(ETA: Electronic Travel Authorization)を義務付ける。この変更により、以前はビザなしで旅行できたこれらの地域の市民も、短期滞在であってもETAの取得が必要となる。

1. ETA導入の背景

英国は、EU離脱(ブレグジット)以降、独自の移民管理方針を強化しており、国境管理の強化が一貫したテーマとなっている。ETAの導入は、特に安全保障と渡航者の確認プロセスを向上させることを目的としている。これにより、EU市民が英国を訪れる際にも、より厳密な入国審査が行われるようになる。

2. ETAが適用される対象者

ETAが義務化されるのは、以下の国や地域から英国を訪れる短期滞在者となる。

  • EU加盟国: フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの欧州連合加盟国
  • EEA加盟国: ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン
  • スイス
  • 日本や米国を含む国

観光、ビジネス、短期留学、家族訪問など、90日以下の滞在を予定している場合に適用される。ビザがすでに必要な長期滞在や特定の労働許可証を持っている場合は、ETAの対象外となる。

ETAは通常2年間有効で、その間に何度でも英国を訪問できる。ただし、1回の滞在期間は90日を超えてはいけない。また、パスポートの有効期限が切れた場合には、ETAも無効となるため、新しいパスポートで再申請が必要。

3. 日本からの短期渡航者もETAの取得が義務化。

日本から英国に渡航する場合、日本や米国を含む40以上の国・地域からの訪問者に対しても、2025年1月8日以降、ETAの取得を義務づける。これまで日本と英国はビザ免除協定を結んでいるため、日本国籍者は最大6ヶ月間まで観光、ビジネス、短期留学、家族訪問などの目的でビザなしで渡航することができたが、2025年1月8日以降、イギリスに渡航する際はETAの取得が必要となる。

  • 入国審査が必要: 英国に到着すると、空港で入国審査が行われ、旅行の目的や滞在期間についての確認を受ける。審査官が適切と判断した場合、入国が許可される。
  • 長期滞在や就労の場合: 6ヶ月以上の滞在や、就労、留学など特定の目的で渡航する場合は、通常通りビザが必要となる。

たとえオランダなどEUの国に日本人が居住していても、旅行時に使用するパスポートが日本のものであれば、ETAの取得は必要となる。

ETA申請開始予定日:2024年11月27日
申請費用:10ポンド(約1900円)
申請方法:専用アプリ、もしくは申請サイト
ETA有効期間:取得から2年間、もしくはパスポートの有効期限まで有効

4. 注意点

  • トランジットの場合: 日本から第三国へ渡航する際に英国を経由する場合、入国審査を通過しない場合でも、英国内の空港で乗り継ぎ・トランジットをする者はETAの取得が義務付けられる。

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