総選挙から半年、オランダ連立交渉が合意に達する。導入が計画される合意点まとめ。

11月の選挙から約6ヶ月後、極右リーダーのヘルト・ウィルダースが新しい内閣を形成するために交渉していた4つの政党が合意に達したと発表。PVVのリーダーであるウィルダースは、連立を形成する他の政党(VVD、NSC、およびBBB)と次の首相についても議論したと述べた。しかし、4つの政党は新しい首相についての合意には至っていない。

この連立政権は社会保障への投資、難民受け入れの削減、その他の移民の制限、そして気候変動対策の野心的な取り組みの抑制を計画している。

社会保障

連立政権は社会保障の拡充を目指している。2027年までに医療自己負担額を現在の自己負担額の年間385ユーロから半分以上削減し、165ユーロとする予定である。また、追加の所得税に追加の段階を導入することで労働負担を軽減し、労働市場の安全性を高め、債務支援を改善し、保育をほぼ無料にすることを計画。

難民・移民政策

連立政権は、これまでで最も厳しい難民政策を実施する予定である。仮の難民危機法を導入し、広範な措置を取ることができるようにする。無期限の難民許可を廃止し、一時的な滞在許可を調整する。申請が却下された難民は可能な限り強制的に送還されることになる。さらに、不法滞在者を強制的に追放する計画、市民権取得要件の厳格化する計画がある。

難民にはこれまで優先的に割り当てられていた政府や地方自治体、公共機関が提供する住宅である社会住宅(英: social housing)の優先権が与えられず、自動的な家族再統合も廃止される。また、非EU圏からの労働移民には追加の要件が課され、国際学生の数を制限し、非EU学生の授業料を引き上げ流予定である。

住宅・インフラ

新政権は年間10万戸の新しい住宅を構築することを計画。社会住宅の賃料引き上げを制限し、新築の30%以上を社会住宅とする予定である。

エネルギー・気候・環境問題

気候政策の目標は現状を維持し、目標を達成できなかった場合は代替政策を講じると述べてうる。新政権は4つの大規模な原子力発電所を建設する計画を進める。電気自動車の補助金は来年から廃止される予定である。

これらの合意は、オランダの今後の政策の方向性を示す重要なものであり、社会保障の充実や移民政策の厳格化、気候変動対策の見直しなど、多岐にわたる課題に対して具体的な対策が講じられており、今後の議論と実施が注目されている。

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