オランダのアジア系住民の3分の1以上が過去1年間に差別を経験。「模範的な少数派」としてのアジア人。

オランダの東アジアおよび東南アジア系の住民の3分の1以上が、過去1年間に差別を経験していることが明らかに。中国系オランダ人に至っては52%にも上ると、アムステルダム大学などが社会問題省の依頼で行った研究に基づき報じられた。これは、東アジアおよび東南アジア系のオランダ人に対する差別についての初の広範囲にわたる研究となっている。

研究者たちは、東アジアおよび東南アジア系のオランダ人2,505人の代表的なサンプルにアンケート調査を実施し、36人の回答者については詳細なインタビューを行った。調査結果からは、見た目や姓によって言葉の暴力を受けたり、不利益を被ったり、排除されたりする多数の事例が明らかになっている。一部の人々は、街中や授業中に人種差別的な侮辱を叫ばれたと報告。また、「犬を食べる」という「冗談」についても報告があったという。多くの人々が、仕事や住宅を見つける機会が少ないことに気づいている。

差別は主に公共の場、教育現場、職場で発生。街中で叫ばれる侮辱については、加害者は通常男性で、被害者は一般的に女性となっている。回答者はまた、実際の出身国にかかわらず「中国人」と呼ばれることが多いと指摘。

研究者たちは、こうした体験が重大な結果を招いていることを発見。調査された全グループが心理的な苦痛、社会への関与の減少、当局への信頼の損傷を報告している。認識される差別は、新型コロナウイルス危機の開始以来、全グループで増加傾向にあるという。

近年、オランダでは少数派グループからの差別の認識に関する多くの研究が行われていますが、これらの研究は通常、東アジアおよび東南アジア系の人々を無視してきた。それは、アジア系住民は、問題を引き起こすことが少ない「模範的な少数派」としてしばしば見なされている事実に関係しているのではないかと研究者は指摘。それもまた差別とみなすことができる。

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