アヤックスに日本の壁!板倉滉、背番号4で欧州制覇狙う
オランダ・アヤックスは、ボルシア・メンヒェングラートバッハから日本代表DF板倉滉(28)を獲得したと発表した。契約期間は2029年までで、さらに1年間の延長オプション付き。移籍金は固定額1000万ユーロ、ボーナスを含め最大1200万ユーロに達するとみられる。背番号は4。これは今夏チェルシーに移籍したオランダ代表DFヨレル・ハトが昨季まで着用していた番号である。
アヤックス初の日本人選手
板倉は横浜市出身で、2019年にマンチェスター・シティと契約後、FCフローニンゲンに期限付き移籍。約2年半を過ごし、2021年にシャルケ04へレンタル移籍。2022年からはメンヒェングラートバッハでプレーし、3年間で公式戦80試合に出場、7得点を記録した。
アヤックスのテクニカルディレクター、アレックス・クロースは「我々が長く慎重に進めてきた案件であり、クラブ史上初めて日本人選手を迎える特別な瞬間である」と述べ、「彼は経験と安定感をもたらす存在であり、対人に強く、足元もうまい。戦術理解も高く、コーチングとメンタリティでチームに重要な役割を果たせる」と評価した。
「本当に必要とされていると感じた」
板倉は移籍理由について、「マライン・バウカー(フットボールディレクター)との会話で、本当に必要とされていると感じた。それが移籍を決める上で一番大事な要素である」と語った。
少年時代からアヤックスの存在は知っていたが、ヨーロッパに来てその規模を実感したという。「グローニンゲン時代にアムステルダム・アレナでプレーした時、常に満員で熱狂的な雰囲気に圧倒された。アヤックスが毎年優勝していた時期で、本当に難しい相手だった」と振り返る。
歓迎の声続々
アヤックスのクラブ公式サイトでアレックス・クロース取締役はこう語っている。
「コウがアヤックスとの契約にサインしてくれて嬉しく思う。長い時間をかけ、慎重に進めてきた案件である。彼は我々のクラブでプレーする初めての日本人選手であり、特別な瞬間だ。コウは我々が守備に必要としていた経験と安定感を正確に持っている。対人守備に強く、足元の技術も高く、戦術的にも優れている。さらに、そのコーチング力とメンタリティでチーム内で重要な役割を果たすだろう。彼がアヤックスのシャツを着てプレーする姿を見るのが楽しみだ」
また元チームメイトや指導者たちも板倉の加入を歓迎している。
FCフローニンゲンで共にプレーしたカイ・シェルフイスは「素晴らしい選手であり、良いパス能力と試合を読む力、そしてドリブルで前に運ぶ勇気がある。アヤックスに非常に合う」と評価。
同じくグローニンゲンでセンターバックを組んだウェッセル・ダマースも「高い最終ラインでも守備に不安はない。さらに成長を続けるだろう」と語る。
シャルケ04で指揮を執ったミヒャエル・ビュスケンスは「彼を獲得しない理由は一つもない。戦術理解、メンタルの強さ、プレッシャー耐性、ボール扱いすべてが優れている。もし一人だけ選べるなら、間違いなくコウを選ぶ」と絶賛したうえで、「もちろんあまりプレッシャーをかけすぎたくはない。あとは皆さんが実際に見て判断すればいい」と笑った。
なお、アヤックスはこれまでにヴィチェスラフ・ヤロシュ(レンタル)、ラウル・モロ、オスカー・グロウフ、ヨエリ・ヘーケンスをすでに補強している。
優勝争いへの意気込み
アヤックスは2022年以来リーグ優勝から遠ざかっている。板倉は「再びチームを優勝に導きたい。良いサッカーで全試合に勝ちたい。それがアヤックスである」と意気込みを語った。
テクニカルディレクターのクロースも「経験と安定感を兼ね備えた理想の補強。戦術理解、対人の強さ、そしてリーダーシップ。全てが揃っている」と自信満々。
アムステルダムに舞い降りた“日本の壁”は、欧州の頂点を目指し、今まさに動き出した。