欧州委員会は、EU域内の空港で新しい保安検査機器の使用を承認した。これにより、手荷物に100mlを超える液体容器を持ち込むことが可能になる見通しである。ただし、オランダを含むEU全体で直ちに適用されるわけではない。
EUがCTスキャナーを承認
欧州委員会(EC)は、液体爆発物検知に対応した新型スキャナーの使用を正式に認可した。この機器は大型の液体容器の中身を検査できるため、歯磨き粉からシャンプーまで、最大2リットルの液体を機内持ち込み手荷物に入れることが可能になるとされる。
この変更については、イタリアの新聞が最初に報じた。これまで複数の空港では新型CTスキャナーの導入を進め、液体制限撤廃の準備を進めていたが、2024年夏に技術的問題が発生し、欧州委員会が一時的に運用を停止させていた経緯がある。
現行の液体持ち込みルール
現行ルールでは、液体、ジェル、クリーム、ペースト類は100ml以下の容器に入れ、密封可能な透明のプラスチック袋にまとめる必要がある。例外として、乳児用品や医薬品は制限対象外となる。
オランダの空港も導入可能に
ECは欧州民間航空会議(ECAC)と連携し、技術的問題を解決したと発表。これにより、アムステルダム、ローマ、ベルリン、ミラノなど、すでに新型スキャナーを設置している空港は再び運用を開始でき、液体制限を撤廃できることとなった。
オランダのアムステルダム、ロッテルダム・デンハーグ、アイントホーフェンの各空港も新型機器を備えているが、実際にルールを変更する時期は未定である。
空港ごとに異なるルールへの注意が必要
新型スキャナーは従来型より高額であり、EUは設置を義務付けていない。そのため、空港によって液体ルールが異なる「パッチワーク状態」になる可能性が高い。
例えば、新型スキャナー導入空港から出発する際は100ml超の液体を持ち込めても、帰路で旧来のルールが適用される空港を利用する場合、持ち込み不可となるリスクがある。
渡航者は、出発地および帰路の空港双方での最新ルールを事前に確認しておくことが推奨される。