フランスで第二次世界大戦の爆弾が発見され、パリ・北駅(Gare du Nord)発着の列車が完全にストップした。この影響で、アムステルダムとパリを結ぶユーロスターも大きな混乱に巻き込まれている。
ユーロスターのアプリによると、アムステルダム発の5本の列車がブリュッセル南駅(Brussels Midi/Zuid)で打ち切られ、パリまで運行しないという。さらに、1本は完全に運休。逆方向のパリ北駅発アムステルダム行きの列車も7本がキャンセルされた。
ユーロスターは2025年3月7日、金曜日のパリ北駅発着の列車をすべてキャンセルしたと発表。これにより、ロンドンーパリ間、ブリュッセルーパリ間の列車も影響を受けている。アムステルダムーパリ間の列車はブリュッセルーパリ経由のため、アムステルダム発の列車はブリュッセル止まりとなる。ユーロスターのスポークスパーソンによると、乗客は「空席状況次第で」無料で別の日に振り替えが可能とのこと。NSインターナショナルは、旅行を延期するよう呼びかけている。
問題の爆弾は、パリ北駅の北側に位置するサン=ドニ(Saint-Denis)の線路上で発見された。フランス国鉄(SNCF)によると、夜間作業中に見つかり、専門家が処理作業を進めているという。
フランスのフィリップ・タバロ運輸大臣は、「列車の運行は金曜日の午後には再開できる見込み」と述べたが、一日中ダイヤの乱れは続くだろうとのこと。
どれだけのユーロスター利用者が影響を受けたのかは不明だが、アムステルダムーパリ間の直通列車は観光客に人気があり、多くの旅行者が予定を狂わされていることは間違いない。特に、オランダ南部の学校はカーニバル休暇のため月曜日まで休みのところも多く、影響を受けた家族連れも多そうだ。
アムステルダムーパリ間のユーロスターは、スキポール空港、ロッテルダム中央駅、アントワープ中央駅、ブリュッセル南駅を経由し、所要時間は約3時間25分。この利便性が魅力だが、今回の騒動で予定変更を余儀なくされた乗客は少なくないだろう。
戦後80年近く経つ今も、ヨーロッパではこうした戦争の名残が顔を出すことがある。まさかの爆弾騒ぎで、乗客たちは思わぬ「歴史の爪痕」を体感することになった。