アムステルダム発バルセロナ行き夜行列車の計画が、フランス国内のダイヤ調整問題により暗礁に乗り上げる可能性が出ている。フランス鉄道管理会社SNCF Réseauの調査により、フランス区間では運行可能なダイヤが確保できることが確認されたものの、アムステルダム発の出発時刻がオランダの利用者にとって不便すぎる可能性が浮上したためだ。
この問題を受け、運行を計画するヨーロピアン・スリーパー(European Sleeper)は、発着地をアムステルダムからブリュッセルに変更する案を検討している。
アムステルダム発を優先も、乗客の利便性が課題
ヨーロピアン・スリーパーは
「アムステルダム発のダイヤを確保できなければ、ブリュッセル発に変更せざるを得ない。しかし、アムステルダム発は依然として最優先の選択肢だ」と語っている。
同社は当初、2025年の運行開始を目指していたが、今回の調整問題により2026年以降に延期された。さらに、発着地が未定のままという不確定要素が、計画をさらに複雑なものにしている。
ヨーロピアン・スリーパー、路線拡大を続ける
ヨーロピアン・スリーパーは、近年夜行列車網を積極的に拡大している。2023年5月にはブリュッセル〜ベルリン間の夜行列車を開設し、2024年にはドレスデンとプラハまで路線を延伸した。また、この冬にはブリュッセル、アイントホーフェン、インスブルックを結ぶ季節限定路線も運行しており、一部列車はベネチアまで直通している。
今後の展望
バルセロナ行き夜行列車は、持続可能な旅行手段として多くの期待を集めているだけに、発着地の問題がどのように解決されるのかが注目される。ヨーロピアン・スリーパーは「利用者の利便性を最優先する」と強調しており、アムステルダム発の可能性を引き続き模索する姿勢を見せている。