新しい年の始まりとともに、オランダでは最低賃金が引き上げられることが決定した。2025年1月1日から、21歳以上の労働者は時給14.06ユーロとなった。このニュースは、特に低所得者層にとって希望の光のように感じられるかもしれないが、実はその裏に隠された現実も存在する。
最低賃金アップの舞台裏
なぜ最低賃金が上がるのか、それはインフレや生活費の高騰が原因となっている。日々の買い物で感じる価格上昇、例えばスーパーマーケットでの食品価格は多くの人々の財布に直接影響を与えている。労働組合が賃金引き上げを強く求め、雇用主も人手不足の中で妥協を余儀なくされた結果、賃金の引き上げが実現した。
しかしパートタイム労働者にとっては、増加幅が小さいと指摘されている。例えば、週32時間勤務の最低賃金労働者は、月額でわずか11.10ユーロ(0.59%の増加)の増加にとどまる一方、週36時間勤務のフルタイム労働者は月額40.72ユーロ(1.97%の増加)の増加が見込まれている。
さらに、2025年には新たな低所得税率が導入され、38,441ユーロまでの所得に対して35.82%の税率が適用される。これらの税制変更は、労働者の純収入に直接的な影響を与えると予想されている。
全体として、最低賃金の引き上げは労働者にとっての収入増加をもたらすが、税制の変更や控除の削減により、特にパートタイム労働者にとってはその恩恵が限定的である可能性が指摘されている。