2024年、オランダでは自営業者の廃業が前年と比較して約30%増加し、約77,000人が商工会議所(KvK)からの登録を抹消した。この増加の背景には、政府が導入した新たな規制が影響していると考えられている。
2025年1月1日から、オランダ税務当局(Belastingdienst)は「偽装自営業者」に対する取り締まりを強化する予定である。れにより、実質的には雇用関係にあるにもかかわらず、自営業者として扱われている労働者が対象となる。
ZZP Nederland(オランダの自営業者団体)によると、自営業を辞める人が多いのは以下の業界となっている。
- 政府機関
- ビジネスサービス
- 医療
特に政府機関では、1月1日以降自営業者を雇用しないよう通達が出されているとの情報も流れている。
また政府のこの取り組みが本来の問題を見誤っていると指摘もあり、低料金で働く自営業者、例えば時給15ユーロの皿洗いや、温室園芸や食肉産業で低賃金で働く移民労働者に焦点を当て、特に低料金で働く自営業者に焦点を当てるべきとされている。
2024年には新たに自営業を開始する人の数も減少。2023年には約120,000人が自営業を開始したが、2024年には約10,000人減少。この傾向は、政府の新たな規制や取り締まりの強化が自営業の魅力を低下させている可能性を示唆している。
オランダ政府は、労働市場の公平性を確保するために、偽装自営業者の取り締まりを強化。この傾向が続けば、オランダの労働市場構造に大きな変化が起こる可能性があり、雇用の安定性が高まる一方で、柔軟な働き方が制限される懸念もある。しかし、これらの措置が自立した自営業者にどのような影響を及ぼすかについては、引き続き注視が必要となっている。