オランダは、2024年のEF英語能力指数（EF EPI）で6年連続で非英語圏の国の中で最高の英語能力を誇る国として評価された。このランキングは、116の国と地域から集められた210万人以上のテスト結果に基づいており、世界最大規模の英語能力調査となっている。
各国のスコアは、EFが提供するオンラインテストや英語コースへの入学時のプレースメントテストの結果から算出。このため、言語学習に関心のある人々が多く含まれている可能性があり、調査対象者の平均年齢は26歳となっている。
オランダは、2024年のEF EPIでスコア636を獲得し、「非常に高い」英語能力と評価。このカテゴリーに属する国々では、多くの人々がニュアンスのある言語を使いこなし、高度な文章を読み、英語で契約交渉を行うことができる。オランダに続く上位国は、ノルウェー、シンガポール、スウェーデンで、これらの国々も「非常に高い」英語能力を持っている。
オランダ国内でも、都市や地域によって英語能力に差があるとされている。特にアムステルダムは、世界の首都の中で最高のスコア657を記録し、非英語圏の都市として最も高い英語能力を持つと評価されている。他の高スコアの都市には、ユトレヒト、ロッテルダム、ハーグが含まれる。
2024年のEF EPIによる英語能力上位10カ国のランキング：
- オランダ（636）
- ノルウェー（610）
- シンガポール（609）
- スウェーデン（608）
- クロアチア（607）
- ポルトガル（605）
- デンマーク（603）
- ギリシャ（602）
- オーストリア（600）
- ドイツ（598）
なぜオランダは英語能力が高いのか？
1. 教育システムの充実
オランダでは、小学校から英語教育が導入されており、多くの学校で英語が必修科目となっている。さらに、中等教育以上になると、英語の授業だけでなく、他の教科を英語で学ぶ「バイリンガル教育」を採用している学校も増加傾向にある。
また、オランダの高等教育機関では、英語を使用したプログラムが非常に多く提供されている。特に、大学の修士課程では約90％以上のプログラムが英語で行われている。これにより、学生は高いレベルで英語を使用する機会を得ている。
2. 国際的なビジネス環境
オランダはEUの中でも国際的なビジネスの中心地の一つであり、多くの多国籍企業が拠点を構えており、英語はビジネスの共通言語であるため、オランダ人は職場で英語を使用する機会が多く、実践的な言語能力を磨くことができる。
さらに、オランダは貿易立国であり、輸出入において英語を使用することが一般的である。このような環境が英語力の向上に大きく寄与している。
3. 文化的な英語への親しみ
オランダでは、テレビ番組や映画が原語のままで放送されることが一般的。多くの国では英語のコンテンツに吹き替えを使用しているが、オランダでは字幕が主流。このため、日常生活で自然に英語を耳にする機会が多く、リスニング能力が向上している。
4. 小国としての多言語対応の必要性
オランダは人口規模が小さく、オランダ語を話せる人々が限られている。そのため、英語は国際的な交流や情報収集のために欠かせないツールとなっており、オランダ人は自国語に依存するのではなく、英語を活用して世界と繋がる姿勢を持っている。
まとめ
オランダの英語能力の高さは、教育制度、国際的なビジネス環境、文化的背景、そして多言語対応の必要性が相まって実現されている。これらの要因は、英語を単なる科目ではなく、日常生活や仕事で活用する「実践的なツール」として、「学ぶ英語」から「使う英語」へ日常生活に浸透している。
