オランダでの非EU労働者のビザの申請急増。増加の背景には、アジア系レストランのシェフ採用規制の強化などが影響。

オランダでは、広範な人手不足により、非EU圏からの労働者の受け入れが急増している。2024年上半期に18,800件の労働許可申請があり、前年の20,900件に迫る勢いとなっている。2022年と2021年には15,000件と10,000件以下の申請があったが、これらはコロナウイルス関連の旅行制限の影響を受けていたとされており、2024年は特に大きな増加傾向にある。

この増加の主な理由として、以下の点が挙げられる。

  1. 難民申請者の雇用規則の緩和: 難民申請者がオランダでの正式な難民ステータスと居住許可を取得していない場合でも、昨年末から雇用規則が緩和され、1年間に24週間以上働くことができるように規制緩和された。これにより、雇用者にとって難民申請者がより魅力的な労働力となっている。
  2. アジア系レストランのシェフの採用規制強化: 2024年7月1日から、海外からシェフを採用するアジア系レストランに対する規制が厳しくなった。具体的には、採用されるシェフが特定の資格や経験を持っていることを証明する必要がある。また、採用手続きの厳格化により、レストラン側は労働許可を取得するための要件が増加。この新規制は、オランダ国内の労働市場を保護することを目的としている。このため、多くのレストランがこの日付前に労働許可申請を急いで行い、柔軟な規制の下で採用を行おうとしたとされている。

最大の理由は、オランダおよび多くのEU諸国で見られる広範な人手不足である。オランダ国内には現在、約45万件の未充足の求人があり、企業はコロナウイルス後の経済回復に伴う労働市場の回復に対応するため、非EU圏からの人材を求めている。

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