オランダでは個人事業主・フリーランサー数が10年で85%増加。その背景とは!?

近年、フリーランスとして働く人々の数が世界中で増加しているが、オランダでは特にその傾向が顕著となっている。オランダ商工会議所(KvK)のデータによると、2014年に約87万5千人だったオランダの自営業者数は、2024年には約160万人へと85%も増加。

このデータは、特に若年層と高齢層のフリーランスへの関心の高さを示している。0歳から24歳の若年層と、65歳以上および70歳以上の高齢層において、フリーランサー数が最も大幅に増加。フリーランサーの多くはビジネスサービス業界(44万人)、建設業(21万8千人)、そしてオランダのヘルスケアセクター(20万3千人)で働いている。

特にヘルスケアセクターにおける女性フリーランサーの数の増加が著しく、ビジネスサービス業界がそれに続く。女性の自営業者は個人サービス、ヘルスケア、福祉セクターでのみ働いているとよく考えられているが、実際には多くがビジネスサービスで働いており、例えば、独立した弁護士やコミュニケーションアドバイザーなどが多い。

若者がフリーランスの仕事により多く従事している理由の一つは、若者を中心にデジタルスキルが高まっており、オンラインプラットフォームやソーシャルメディアを活用したビジネスモデルが容易に立ち上げられるようになっている。

またテクノロジーの進化により、場所を選ばずに仕事をすることが可能になり、オフィスに拠点を置く必要がなくなり、フリーランスとして活動しやすい環境が整っている。

オランダでは、柔軟な労働形態への需要が高まっており、個人事業主やフリーランサーとして働くことがより受け入れられるようになっている。さらに企業側もプロジェクトベースで専門的なスキルを持ったフリーランサーを雇うことで、柔軟に人材を調整することが可能となっている。

社会的・個人的動機

  • ワークライフバランスへの重視: 働き方において柔軟性や自由度を求める人が増えており、フリーランスや個人事業主としてのキャリアを選択する人が増加傾向にある。
  • 創業・起業への意欲: 自分のアイデアやサービスを市場に出すことへの意欲が高まっており、低リスクで事業を始められるフリーランスや個人事業主として活動することが魅力的になっている。

これに対して、多くの高齢労働者は、年齢とともに柔軟性を求め、自分たちの年金に上乗せするため、または完全に引退できない場合に柔軟なパートタイムベースで働き続ける機会としてフリーランスを選んでいる。これらの要因が複合的に作用し、オランダにおいて個人事業主やフリーランサーの数が増加傾向にある背景となっている。

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