オランダのスーパーマーケットではセルフレジの導入以来、万引きが大幅に増加。一方でレジが必要ない無人レジの店舗も登場。

オランダのスーパーマーケットでは年々、セルフスキャン・チェックアウトのレジの導入が広がっている。スーパーマーケットだけでなくイケア、薬局チェーンなど、どこでも見つけることができる。これは急いでいる顧客と労働コストを削減したい企業の両方から歓迎された。

しかしセルフレジが普及していく一方で万引きの件数も大きく増加している。2022年には万引きの件数が30%増加し、セルフスキャン・チェックアウトがその主要な要因の1つとして挙げられ、この問題はオランダ全体で拡大している。大手のスーパーマーケットのJumboが2023年には約1億ユーロ相当の万引き被害があったことを発表し、これにより一層の課題が浮き彫りにされた。最大手のAlbert Heijn(アルバート・ハイン)は増減の詳細を明示せず、多くの万引き被害が発生し、損害を引き起こしていると述べている。

その一方でオランダのウトレヒトの中心部にあるスーパーマーケット・Aldiには、レジのない店舗も登場し、店内にレジがないことで話題となっている。天井に設置された何百ものカメラと棚のセンサーが、顧客の動きと取られた商品を検知するようになっており、顧客が出口に到達すると、商品をスキャンする必要はなくシステムは取られた商品を正確に認識して、支払いは自動的に引き落とされる仕組みである。

これはオランダで初めての無人レジのスーパーマーケットになったが、アプリをダウンロードし、支払いにはクレジットカードが必要で実際にはかなり手間がかかり不評であった。

その後、システムに改良を加えて、アプリなしで誰でも店に入ることができ、Apple Payやデビットカードで支払うことも可能になった。店舗には再びレジが設置されることとなったが、それでも変わらないのは、顧客が商品をスキャンする必要がなくなったことである。

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