オランダの飲食産業の課題と可能性。食材の高騰や人材不足の問題も深刻に。

オランダの飲食産業では、今後もスタッフ不足が続く見込みである。飲食業界の組合ロイヤル・ホレカ・オランダ(KHN)によると、これは主に高齢化する人口とレストラン、カフェ、ホテルでの労働に利用可能な若者が減少していることに起因している。

例えば、KHNによれば、シェフなどの仕事の職業訓練を受ける若者の数は数年間減少している。2017-2018年の学年には3万5千人以上の学生がコースに登録していたが、2021-2022年の学年にはこれが17%減少し、3万人以上になったと報告されている。高齢化と組み合わさり、これが新しい人材の採用に影響を与えているとされている。

これにもかかわらず、飲食業界の人員の需要は高まっており、さらにレストランやカフェの売上は昨年大幅に増加、成長は主に価格の上昇に起因しており、飲食物の販売量はそれほど増えていない。

飲食業界全体の売上は前年比ほぼ13%増の116億ユーロで、成長は見られたが、多くの企業が収益性に懸念を抱いており、高いコストによる利益率の減少に悩まされており、他の業界との人材確保の競争も加わっている。

一方でいくつかの明るい兆しも見出されており、2023年下半期の売上高は予想よりも低くはなく、景気後退はそれほど大きくなかった。特に若い世代の外食への需要は過去よりも増加しており、平均して年間2200ユーロを外食に費やしている。これは他の世代と比較して大きな変化となっている。またコロナウィルスの流行から観光業も改善し続けており、観光客からの収益も期待されている。飲食産業は様々な課題に直面しているが、若い世代の需要の増加や好況な経済指標から希望も見え隠れしている。

また価格上昇により売上は伸びているが、同時に外食が「高すぎる」と感じられているという人が多いという問題も浮き彫りになっている。食材の高騰や、人手不足による様々な問題を多く抱えているのが現状ではあるが、例えば日本食レストランの軒数はここ数年間に数倍に増えており、オランダでは飲食産業は問題も多くあるが、同時に成長が期待される業界となっている。

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