オランダは大胆な一歩を踏み出し、大麻の合法化が開始された。国内の大麻規制実験が新たな局面に入り、ノールトブラバント州のティルブルクとブレダで最初に始まり、法的に栽培され、一定の品質基準を満たすことが求められる大麻を最初に販売することになる。コーヒーショップと呼ばれる販売専門店が、新しい実験の一環として初めて合法的に育てられた大麻を販売。これは、国内での合法栽培および販売が始まった初めてのこととなる。次の6か月間、これらのコーヒーショップは3つの合法的な栽培者から大麻を供給される予定となっている。この実験の成功により、今後は更なる栽培者が合法的に供給でき、試験が拡大されることが予定されている。
以前の状況:寛容政策とその矛盾
これまでのオランダでは、大麻は「寛容政策」がとられており、使用および取引は合法ではなかったものの、政府によって黙認されていた。現行の「寛容政策」では、コーヒーショップは顧客に大麻を販売することが許可されているが、供給元、栽培者からの購入は違法であり、大麻の栽培も禁止と矛盾した内容となっていた。したがって、コーヒーショップは「裏口」を通じて非合法な栽培者から大麻を購入し、当局は黙認していたのがこれまでであった。この「寛容政策」により、コーヒーショップは一定量の大麻を販売でき、所有しても起訴されない状況であった。しかし、この政策はハードドラッグとソフトドラッグの処遇を区別することを意図していたものの、混乱を招く結果となっていた。
新しい政策
オランダ政府は「大麻実験」を導入し、約11の自治体で合法的な大麻供給業者が活動できるように許可。これらの自治体内の全てのコーヒーショップは今後は購入および販売の記録を正確に保持する必要がある。この実験の期間中、独立した研究者が大麻の合法化の影響を監視し、市場に出回る製品の強度を追跡する。この新しい政策は、現行の大麻法に関連する小犯罪率や反社会的行動の減少、コーヒーショップへの供給チェーンの規制が期待されている。
合法化により、オランダの大麻文化は新たな局面を迎えることとなった。しかしながら、将来的に反大麻の立場をとる可能性のある政治家が台頭すれば、実験がどれくらい続くかは不透明である。この実験は4年間続き、1.5年間延長するオプションがあるという。この期間中、10のライセンスを取得した栽培者からの合法な大麻を90のコーヒーショップが販売。その結果によって、大麻の完全な合法化が可能かどうかが決定される。