ロイター通信によると、マクラーレン・グループが所有する電動スクーター・ブランド「Lavoie」(ラヴォア)がVanMoofの買収を希望しているという。スクーターブランドLavoieと苦境にあるオランダの自転車メーカーとの交渉は、かなり進んだ段階にあるとされている。
VanMoofはe-モビリティデバイスのプレミアムグローバルブランドとして成長するというLavoieの戦略に非常によく合致しているとされている。取引が成立すれば、LavoieはVanMoofの事業を可能な限り引き継ぐことになるが、その時期は特定されていない。
VanMoofの創業者たちは、同社が7月18日にアムステルダムの裁判所から破産宣告を受けたと発表。倒産の原因は、年間、数千万ユーロの損失を繰り返したことだとされている。このメーカーは自転車やe-bikeに自社製の独自規格の部品を多く使用しており、会社の成長とともに保証修理費用が高騰していた。
「Lavoie」は、高級スポーツカーメーカーのマクラーレン・オートモーティブと、そのモータースポーツ事業であるマクラーレン・レーシングと同じ親会社に所有されている。後者は40年前に設立され、F1チームは8度のコンストラクターズ選手権と12度のドライバーズ選手権を獲得している。F1チームは183レースに参戦し、ドライバーはそれ以降313レースで2位または3位を獲得している。
破産管財人は、VanMoofが再スタートできるさまざまな候補があり、まだ他の2社が候補に残っているという。以前のオファーのひとつは、e-バイク「Wheels」やe-スクーター「Helbiz」を手がけるアメリカのMicromobility.com社からのものであった。
VanMoofは1ヶ月前に破産宣告を受けた後、オランダでは自転車を販売していない。VanMoof社は世界中でおよそ20万台の自転車を販売し、主要都市に20の小売店を構えていた。米国、英国、フランス、日本、アイルランド、オーストリア、デンマークの店舗では、現在も同社の自転車が販売されている。VanMoofのアメリカと台湾に子会社があり、それらは倒産していないが、苦境に立たされているという。同企業の崩壊が進むほど、再スタートはより困難になるとも予測されており、再建が急がれている状況である。