オランダ統計局(CBS)が発表した数字により、オランダが正式に緩やかな景気後退に入ったことが明らかになった。オランダ経済政策分析局(CPB)が発表した報告書では、2024年もインフレは高止まりし、貧困率の上昇に対処するためには政府による緊急の対策が必要であると警告している。
CBSが8月16日(水)に発表した速報値によると、2023年第2四半期の国内総生産(GDP)は減少し、オランダ経済が2期連続で縮小したことが明らかになった。今年第1四半期に0.4%減少し、第2四半期にはさらに0.3%減少したため、オランダは景気後退に陥ったことになる。
CPBによると、オランダ経済は2023年に0.7%成長し、2024年にはさらに1.4%成長する。これは、家計の購買力の上昇と相まってもたらされる。国の労働力不足もあって、購買力の中央値は2023年に1.1%低下した後、来年は1.9%上昇する見込みである。
またCPBは「インフレ率は以前の予想よりも長く高止まりするだろう」と指摘している。2023年の年間インフレ率は3.9%、来年は3.8%と予想されている。
報告書の一部として、オランダ政府が対策を講じなければ、オランダは急速に貧困率が上昇すると警告している。もし政府が予算の日に、家計の苦しい世帯の支払いを支援する施策を発表しなければ、貧困は急激に拡大するだろう。CPBによると、追加的な政策がなければ、来年は全人口の約5.7%、子どもの7%が貧困状態に陥ると予測されている。現在の支援制度の多くが2024年1月1日から期限切れになる為である。
CPBは、2023年の経済成長率は0.7%だが、2024年には再び1.4%に成長すると予想しており、CBSはオランダが若干の景気後退に入ったと報告した。成長率は低下しているが、オランダ経済は近年、コロナウイルスの流行など、いくつかの大きなショックをうまく吸収し、「回復力」を見せてきた。多くの部門で労働力不足が発生し、大量解雇を防いだ。この経済の冷え込みは、労働市場の逼迫と高インフレをいくらか減少させるとされている。