自転車業界のテスラ・オランダの自転車メーカーVanMoofが破産。

オランダの自転車メーカーVanMoof(ヴァンムーフ)が破産したと、創業者たちが社内メールで発表した。アムステルダムの裁判所は、同社の破産を宣告した。創業者たちは、流れを変えることはできなかったと述べ、創業から14年間の事業に幕を下ろした。

VanMoofは2009年に誕生し、タコ・カーリエとティーズ・カーリエ兄弟によって「完璧な都市用自転車」を作るために設立された。その特徴はミニマリストなデザインで、数年後、同社は展開する自転車の全てを完全に電動自転車に切り替えた。さらに、デザインと製造プロセスを再構築する自転車メーカーとしての地位を確立。その革新的な試みは自転車業界のテスラと称されていた。

「会社を存続させ、顧客と従業員に対する約束を守るために投資を確保しようとしましたが、残念ながらそれは不可能でした。」VanMoofする2人の兄弟のうちの1人、タコ・カーリエは述べている。同氏によれば、VanMoofの事業再開のチャンスを増やすために破産を選択したという。

現段階では破産はオランダのVanMoof社にのみ影響する。台湾、アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリスの事業体には今のところ影響はないという。

同社は以前から苦境に立たされており、なかでも保証範囲の修理、メンテナンス問題は深刻であった。販売された自転車の多くに欠陥、故障が多発、VanMoofは修理に多額の費用を費やした。スマートフォンの専用アプリと連動して鍵の解錠や各種設定が行え、GPSの追跡システムを内臓したり構造は複雑で、部品の多くは独自の規格で組まれており、修理には一般の自転車屋ではなくVanMoofに持ち込むしかなく、故障した電動自転車に関する多くの苦情がソーシャルメディアで共有されていて、この点がボトルネックになっていたとされる。

VanMoofは設立以来合計で約 200,000 台の自転車を販売し、世界 50 都市に販売店を展開。2021年に約8000万ユーロの損失を計上。