INGとABNアムロ銀行の両社の株価は他の欧州の銀行と同様、スイスの銀行クレディ・スイスの深刻な経営難によりそれぞれ10％近く時価を下げた。今回の大きな下落は、先週末に米国でシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行という2つの銀行が倒産したことに続き、クレディ・スイスが24％の急落を記録したことからの影響である。
クレディ・スイスはこの銀行の将来に対する懸念から顧客が口座から資金を引き出し続けているため、圧力を受けてきた。このスイスで2番目に大きな金融機関の株価は、同行の最大株主であるサウジ国立銀行がクレディ・スイスに追加資本を投じない意向を示したことで大きな打撃を受けた。
スキャンダルに見舞われた同銀行は、財務体質を強化するため、スイス中央銀行から500億ユーロ以上の借金をすると発表。2008年のリーマンショック以降、欧州の銀行の相互接続性はかなり低下している。かつては銀行同士が非常に多額の資金を融通し合うことが一般的であったが、現在では中央銀行を通じて融通し合うことが一般的である。
