過去2年間、年率4%以上の成長を遂げたオランダ経済は今年、縮小はしないがないが成長も鈍化。さらに賃金の上昇は続くとのABNアムロ銀行の予測。

オランダ経済は今年、縮小はしないが、成長は鈍化するとABNアムロ銀行は予想している。同銀行は今年の経済成長率は1.2%、来年は1.3%と予測している。過去2年間、オランダ経済は年率4%以上の成長を遂げた。

問題視されていたエネルギー価格は急速に下落し、ガスの貯蔵量は満杯となった。オランダではガスの使用量も予想されていたよりずっと少なかった。そして、投資と輸出によって経済が成長。しかし、何よりも家計が楽観的で、インフレにもかかわらず消費は伸びている。

今年の成長率が低水準に留まるのは、インフレが根強いことが一因とされている。エネルギーの価格上限設定もあって低下しているものの、インフレはエネルギーから他の製品にも波及している。消費者物価は今年4.4%、来年は4%上昇すると予想されている。

オランダ中央銀行がインフレ抑制のために行っている金利の引き上げは、オランダ経済の減速にもつながっている。お金を借りるにはより多くの費用がかかるため、住宅市場や投資にも影響を及ぼすとABNアムロ銀行は述べている。また米国、英国、ユーロ圏の景気後退も、オランダ製品の需要を低下させる可能性が高い。

また同銀行は、来年も賃金の上昇が続くと予想。労働市場は依然として逼迫しており、最近締結された団体労働協約ではすでに賃金が大幅に上昇している。失業率の低さも景気を下支えしており、加えて転職する人も増加傾向にある。

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